こんにちは!20代OLのあずきんぐです。
前回の記事では、令和元年(2019年)の源泉徴収票の見方を解説しました。
そこでチラッと「来年から変わりますよ〜」なんて書いていたので、今回は来年令和2年からの改正のポイントをお伝えしていきます。
わかりやすいように、事例を用いながらお話していきますよ♪
この後の内容は「年収」や「給与所得」、「給与所得控除」の意味や所得税の仕組みが分かると理解しやすいです。以下の記事で詳しく解説していますので、最初にご覧ください。
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年収850万円超の人が増税です!
見出しに書いてしまいましたが…簡潔に言うと、年収850万円超の場合は増税になります!!
以下、①年収950万円、②年収1,000万円、③年収3,000万円の例で確認していきましょう。
※比較のため簡略化しており概算であることをご了承ください。
①年収950万円の場合
令和元年 | 令和2年 | 控除額 | |
年収 | 950万円 | 950万円 | |
給与所得控除 | 215万円 | 195万円 | ▲20万円 |
基礎控除 | 38万円 | 48万円 | +10万円 |
▲10万円 |
給与所得控除の額が▲20万円になっています。令和2年から年収850万円超の場合は、減額となります。
基礎控除は+10万ですが、最終的には控除額が減っていることが分かります。
②年収1,000万円の場合
令和元年 | 令和2年 | 控除額 | |
年収 | 1,000万円 | 1,000万円 | |
給与所得控除 | 220万円 | 195万円 | ▲25万円 |
基礎控除 | 38万円 | 48万円 | +10万円 |
▲15万円 |
給与所得控除の額が▲25万円になっています。給与所得控除の上限額は220万円→195万円になり、増税です。
③年収3,000万円の場合
最後の例は、お金持ちとしか言いようのない、年収3,000万円を例に見てみます。サラリーマンでなかなかいらっしゃらない層だとは思いますが・・。
令和元年 | 令和2年 | 控除額 | |
年収 | 3,000万円 | 3,000万円 | |
給与所得控除 | 220万円 | 195万円 | ▲25万円 |
基礎控除 | 38万円 | 0円 | ▲38万円 |
▲63万円 |
給与所得控除までは、年収1,000万円と変わらないですが、基礎控除がゼロになっていますね。
今までは、基礎控除額を一律に設定していましたが所得金額が2,400万円を超える給与所得者については、所得金額に応じて控除額を設定することとなりました。その影響で合計所得金額が2,500万円を超えると基礎控除はなくなります。
負担増のイメージ
以上、年収ごとに確認しました。
年収850万円超の人は控除額が減る→課税所得金額が増える→所得税の負担が増える、そして国の税収アップというわけです。
負担増のイメージです。参考にしてくださいね。
【負担増のイメージ】
給与等 | 850万円まで | 900万円 | 950万円 | 1,000万円 |
負担増 | なし | +1.5万円 | +3万円 | +4.5万円 |
給与所得控除の上限を適用する年収は下がってきている!
所得税増税ってどうなんでしょうか。所得の再分配も大切ですが、頑張っているサラリーマンたちのやる気を削ぐ策だと思うんですよね。こんな税金ばっかり払って(年金ももらえないし)やっていられない、だったら年収アップしなくていいかな、とならないですか?
国としては、国民は自分が取られている税金のことなんてよく分かっていないよね、源泉徴収だと取りやすいから取ってしまえ!という感じなんでしょうね。
だからこそ、私たちは税金のことをしっかり理解する必要があると思うんです。
今回の給与所得控除上限ラインは、年収850万円超の人になりましたが、今後、上限ラインに下の年収も入ってくる可能性があります。
なぜなら、平成後半に入り、国は徐々に上限ラインを下げてきているからです。
【給与所得控除額の上限が適用される年収】
- 平成25年→1,500万円超
- 平成28年→1,200万円超
- 平成29年→1,000万円超
- 令和2年→ 850万円超
いかがですか??このように変遷を見ると、平成25年からどんどん上限の控除適用年収を下げてきているのがよく分かりますよね。そのうち年収700万円くらいまで下げてきそうな勢いです。
源泉所得税に関する改正
最初に例を紹介したので、この項では具体的な数値を記載していきます。
働き方の多様化を踏まえ
- 特定の収入のみに適用される給与所得控除及び公的年金等控除の控除額を一律10万円引き下げる
- どのような所得にでも適用される基礎控除の控除額を10万円引き上げる
給与所得控除の改正
給与等収入額 | 改正前 | 改正後 |
162万5,000円以下 | 65万円 | 55万円 |
162万5,000円超 180万円以下 | 収入金額×40% | 収入金額×40% ー10万円 |
180万円超 360万円以下 | 収入金額×30%+18万円 | 収入金額×30%+8万円 |
360万円超 660万円以下 | 収入金額×20%+54万円 | 収入金額×20%+44万円 |
660万円超 850万円以下 | 収入金額×10%+120万円 | 収入金額×10%+110万円 |
850万円超 1,000万円以下 | 同上 | 195万円 |
1,000万円超 | 220万円 | 195万円 |
改正後、10万円減額となっていますが基礎控除が10万円増えるので、年収850万円以下の人に影響はありません。(しかし先ほどお話したように、今回は影響がなかっただけかもしれません)
基礎控除の改正
- 基礎控除額を10万円引き上げる
- 合計所得金額が2,400万円を超える場合、所得金額に応じた控除額とする
合計所得金額 | 改正前 | 改正後 |
2,400万円以下 | 38万円 | 48万円 |
2,400万円超 2,450万円以下 | 32万円 | |
2,450万円超 2,500万円以下 | 16万円 | |
2,500万円超 | なし |
最後に
いかがでしたか?
年収850万円超の場合は増税、それ以下は変更なしが今回の源泉所得税に関する改正です。
しかし、今後年収850万円以下の人も負担が増えていく可能性が大いにあります。
それはつまり、手取り収入が減ることも意味します。
税金の知識を得て節税をしながら、会社員としての収入以外に稼ぐ道を見つけることが大切になっていきますね。
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